初めまして!六つ季の家はこんな所です
初めまして!南魚沼百年古民家・六つ季の家スタッフの小野塚桜子と申します。
私はこの春に25年間生まれ育った東京を離れ、新潟県南魚沼市に移住してきました。
六つ季の家も、私と同じくこの春から南魚沼市北部山間地「辻又」という集落でオープンをしました。まさに同期のような感覚です!
……いや、六つ季の家は私より百年近い大先輩でした。私はこれから六つ季の家やその周りの環境を通して、東京では知らなかった色々なことを教えて貰うんだろうな~とワクワクしています!
今回は、私が六つ季の家を初訪問して「六つ季の家ってこんな所なんだな」と感じたことをご紹介します!
六つ季の家は山の中にあります
六日町の商店街を抜け、三国街道をまっすぐ走り、辻又へ通じる山道へ!山の方はまだまだ雪が残っています。
少しすると、もわもわもわ…
霧!霧!霧!
この日は雨が降っていたのですが、夕方だったこともあり日中との温度差で大量の霧が発生。
こんな濃霧の中車を走らせるのは初めてだったので、ヒヤヒヤしながらも、内心ワクワク…。
数十メートル先は霧の中。何も見えない。霧の奥から何か得体のしれない生き物が、ぼお…っと出てきそうな幻想的な世界。
「すごい…」
自然の驚異を目の当たりにした時、人は「すごい」しか言えないんじゃないかな、なんて思ったり。
「この道で合っているのだろうか?」
「この先に誰か人はいるのだろうか?」
そんな一抹の不安を抱えながら徐行運転をしていると、ふっと霧をかき分けるかのように集落が。
それが六つ季の家がある辻又集落でした。
囲炉裏って見たことありますか?
風情ある木造の古民家に胸を躍らせながら、玄関の引き戸をずずずっと開けます。
入ったその先には大きな囲炉裏がありました。
「ここは日本昔話の世界だわ…」率直な感想。
でも、つい百年前まではこれが当たり前だったんだよなあと思うと、なんだか信じられません。
この囲炉裏の上の丸い輪っか、これは荷車の車輪。馬や牛で木製の荷車を引いていたのはいつ頃までなんだろう?今では全く見かけない光景です。
私、生まれてこの方こんなリアルな囲炉裏(というか本物)を初めて見ました。だってだいたい囲炉裏って高級料亭とかに飾りであるだけじゃないですか。
あえて、手を加えない。直さない。
見てください、この今にも崩れそうな壁。
二階に上がれば、床に隙間があって。
歩くたびにギシギシと軋む音、揺れる床。
……と書くと超ボロ汚いイメージになってしまいそうですが、安心して下さい。
補強はしっかりしていて安全性は十分ですし、とっても清潔です。
「百年前の姿かたちを、ありのまま残し伝える。それは、良い部分も悪い部分も。」
六つ季の家はこういうスタンスです。
なぜなら、それが「雪国で暮らす」ということだから。
冬は家の周りは雪で囲まれ、隙間からの風は冷たく、家は暖まりません。
夏は盆地なので暑いですし、もちろん虫が出ます。
この時代だから、「不便」を体験する
「うわ~六つ季の家って不便そうだな」って思いましたか?
私も初訪問してみて、そう思いました。
でもね、こうも思いました。
「今の世の中って、不便なことがどんどん少なくなっているんだな」と。
便利なことは良い事です。でも、あまりにもそれが当たり前になっていて、何か大切なことを忘れてしまっているかもしれません。
六つ季の家にいると、「不便」の一言では片付けられない、日本人としての想いがふつふつと沸いてきて…。かつては日常だった非日常体験。何か感じ取ることが出来ると思います。
移ろいゆく季節と共に
朝晩はまだまだ冷える辻又。六つ季の家の周りはまだこんなに雪が積もっています。
雪国の4月はこんなにも寒いのか~と驚きです。
山を下りればつくしがにょきにょき生え、ご近所さんからふきのとうやこごみを貰って。桜もやっと咲いて、お花見はこれからです。
春夏秋冬を肌で感じ取る事がこんなにも幸せなことだと知りませんでした。
日々変化していく季節と共に、六つ季の家も色々な表情を見せてくれます。
まだまだ紹介したい所、人は沢山です。これからこのブログでじっくりとご紹介できればと思います。
それでは、六つ季の家をよろしくお願い致します!